“■妻に「不倫してたけどふられた」と言われた わたし先週まで不倫してたんだ、と妻に言われた。晩めしを食いながら、上原多香子の旦那の遺書ってどうよとか話してた流れでいきなり言われた。誰と、とは咄嗟に聞けなくて、どのくらいしてたの、と言うと2ヶ月かな。でもふられちゃった。と苦笑いした。その苦笑いは、俺の経験則的には、本当に傷ついてるときにするやつでようやく不快感が追いついてきて「だれと」と聞くと「Tくん」と素直に答えた。Tは、俺とおなじ部署の後輩だ。妻も俺とおなじ会社で、だからTと妻も同じ会社だ。つまり社内不倫三角関係だ。でも、妻はふられたっていうから、三角形でもないのか。なんなんそれ。なんでふられたいま、それを言うのか。俺はもちろん問い詰めたりしてない。ぜんぜん気づいてない。これ書いてるいまも、嫁の妄想だったらまだいいなと思ってるくらい。つまり、これは妻によるTへの復讐なんだろう。俺は、不倫されたうえに、不倫相手への復讐兵器にされているわけで。妻はばかではない。とくに、人間の愚かな部分への嗅覚は、こわいほどだ。自分がしていることの、残酷さ、愚かしさを彼女がわからないでいられるはずがない。つまり、それほど傷ついているんだろう。自分を地に貶めて夫を地獄に落としてでも傷つけたいほどTを好きなんだろう。いまもたぶん。今日、Tと喫煙所で会った。どうでもいい話をした。ポケモンGO見せ合ったり。Tはなんか、顔とか、話し方とか、俺と似ていることに気づいて妻はやっぱ、俺のことちゃんと好きだったんだなあと思った。これ、どうすればいいんだろう。”
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ゾワゾワする。続きが気になる。
(via crossbreed)